102. Coming to a shop

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回る事で進む ホイル&タイア。 ここまで来るのに、どれ位回ってきたのだろう?
円周率や地図での計算の話より、ライドして来たオーナーの気持ち。これは 計り知れない。

その来店、一時間前に携帯が鳴った。 これから行きたいのだが、如何か? と。
リクエストは、オリジナル商品の取り付け。今週末の予定変更、今日が都合良し。 返事はOK。

来店者に備え、工具や場所を確保。軽く掃除をし、準備する。娘は片付けを一緒に手伝う。3歳。
ゴミの分別は出来る彼女。覚えは良い。出来る範囲と言えばそれ位だが、それを仕事と言う。
「お客さんが来たら、イラッシャイませ!って、大きな声で言うんだよ。」 「ハーイ」
「じゃ、練習に言ってみようか?」 「いらっ・しゃい・・ま・・せ・・。」  と、か細い・・・。

やがて客人がくるや否や、大声で 「イラッシェーマセ!」 「コンニチハ!」
これには驚いた と同時に、懐かしくも感じてしまった。

自分が子供の頃 オヤジの手伝いで、カンナを取ったりノミ”を渡したり そんな記憶が戻る。
親の行動や仕事程、子供に与える影響は 大きい。 ノルマより モラルが運命を分ける。
挨拶や道徳、損得に愛情。換金出来ない行動の中にある、金銭より価値のあるもの。

「コレ、ふぃってんぐ」 #6の90度フォージ。 クーラーのパーツ。ツナギ目を担う部品の名称。
「えんじん」 SRの組んだばかりのEngineと同じものを見分けられる その無垢な目。
一緒に居る時間が多いのは、店。当然オモチャは工具とボルト。スナップとマック。
お気入りは ラチェット。スピンナーやエキバーより、音と操作系が好きなよう。大人も同じだろう。
しかし、自分と決定的に違う所がある。同じ場所の同じ位置に必ず工具を 戻す事を覚えた。
それが出来なくて、良くオヤジに怒られた。それでも出来なかった。未だに苦い記憶となる。
M-10のボルトナット細目と普通目の違い 要はピッチ。これも知っている。鉄メッキとSUSもだ。

そう言えば、学校に行く前の頃に覚えた怪獣の名前とスーパーカーの名前。完璧だったと記憶。

大人と違い、先入観はない。好きか嫌いかはあるが、綿のように知識と言う水を吸収する。
工具箱で言う、何も入っていない空きの中にドンドン入れて行ける。知恵と言う ツール。
そのバイタリティ、サラリーで覚えた 何処で抜くか?の生き方を ハジク勢い。
馬鹿=敵わない者。計算出来ないから、敵も謀れない。 堂々と普通。当たり前に信念。

廻り回ってやって来た客人のタイアを見ながら、そんな記憶と暫し会話していた。深夜。
笑顔で帰る K”さん。 百聞は一見にシカズ。 今日見た若松が SAMSON`。そのままだ。
人の評価をデジタルで見る。時代や場所も有るだろうが、否。自分の目がある。耳も然り だ。
名称や売ってる店を知らなくても、好き、嫌いは判断出来るはず。それが、正解では?


今の自分を造ったビルダーは、父親。 明日97歳の誕生日を迎える事になる。
自分の歳から16年後に作られた計算。 現役で戦争を潜ってきた人生の持ち主。明治生まれ。

娘を連れて行こう。同じ感覚 センス” 不出来な宝物ではあるが、やはり血は水より濃いのだ。


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PS,本日有り難う御座いました。又のご来店 心よりお待ちしております。             敬具
by samsonblue | 2005-08-11 03:51 | バイク


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