631. Sky of Autumn.

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季節が変わる時に厄介なのが、キャブの設定だ。(この位で良いだろう・・。)それ程甘くは無い。

先程まで何とか誤魔化しながら走ってくれた燃調。(セッティング)だが、手の平を返す程の変化
時間帯や先を急ぐ夕方に変化するのは、気温や湿度の影響。季節が秋だと言う事も加勢する。

これは夏に合わせていたジェッティングを、横着して 秋仕様にしていない事が、一番の原因だ。
衣替えしない人とは違い、機械には通用しない。正直に馬鹿が付く程 BIKEの判定は白か黒。

そんな基本を知るようになった今だが、勿論。間違いをしなければ気付く事もなかっただろう と。


何回もキックをしても掛からない。店の鼻先で。そんな音がするから気になるのは、当たり前だ。
そのうち、カチカチ”。(どうせバッテリーが上がったんだろ) もう、10分以上も過ぎただろうか。
イライラ仕出すのは、仕事柄。もう、気になって仕方が無い。アンハッピーなのは誰でも分かる。

「チャージするから店にきなよ!」 「アリガトウございます。大丈夫ですから・・。」

そんな会話をしてからもう、20分が過ぎたあたりで、俺の方が限界になった。笑

「もう、プラグがベタになってるから抜け! エアーでシリンダの中も乾かすから裏までコイ!」
強引に彼を店まで引っ張った。連れの彼女も待ち草臥れた様子。渡りに船なら行動あるのみ!

「今までと、今回に何かイジッタか?」 「ハイ、エアを半分絞りました」 *濃くしました。
「じゃあ、かぶった可能性があるからプラグの清掃とシリンダのガス飛ばしをするか!」
「ハイ、御願いします!」


そうこうして何回目かのトライで、ENGINEが目覚めた!余りに嬉しくて互いに握手をした位だ!
先程まで赤の他人だった2人が親友になる程の劇的なシーンに変貌するのはBIKE乗りの特権
意地を張り、「人の世話にならない!」のは、若い男の特徴であり、悲しき性でも見栄でもあるが
100回以上キックし続けた彼の足腰はヘロヘロだ。スクワット1000回に匹敵する過酷さだろう。
限界を超え、人は素直にシフトする。何にしろ愛機の面倒を見てくれたのが最大の意味である。

当たり前の事でENGINEに火が入ったが、その夫婦は修理代を気にしていたから怪訝な表情。
結婚して日が浅い若夫婦の台所事情が伝わった。「これに毎月飛ばされて行くんですよ・・。泣」
「見るから店にオイでよ」 そう言ってから中々来なかったのは、そう言う理由があったのかも・・。

だがシカシだ。自分で調整出来なければだ、カスタムするベカラズ。ノーマルで貫くべしだろよ!
燃調然り、サス然り、ブレ-キ然り。ポジション然りだと俺は思う訳だ。ここ分かって無い人多い

金が掛かるの気にするなら知恵を付けるべき。面倒クサイなら金を稼いで、人に頼むに尽きる。

その極論。 格好が先なんて思うのはアマイ。余裕ある人限定だろう。趣味の世界も仕事もだ。

クラシックモデルに乗るならケチる事は厳禁。シリンダとピストンの隙間を埋めるのは現金のみ。

ノスタルジアより、摩擦係数の少ない加工と精度が意味。同情するなら、~をくれの世界だろう。

シャーシとENGINEに掛けないでどうする?ハンドルとウインカなんて何でも良いじゃねーか と

長続きしない趣味なら、止めるべきだと思う。乗り物ならこれが正論。ファッションじゃねえんだと

オイオイ!言い過ぎじゃねーか?ってか。バカヤロウ。好きで怪我する人なんていねえんだよ。

ENGINEだって痛い思いしてる筈じゃない。え?鉄やアルミが泣き入れるかって?入れると思う

そう言う気構えで乗ってないと 大体分かるだろ。馬鹿丸出しか、怪我するか。どっちかだろう。


本日。そのハーレーの修理代は、0円。(気前が良いじゃねーか!このヤロウってか!笑


聞けば、その彼女は獣医助手。 2年前死んだ猫の(アメ)動物病院に勤めてるって言うからね。
何かの縁だろうね。たまたま店の前で2人がエンコ。定休日って事もあってなんだけれどもね。

「とうちゃん、この人には世話になったニャ。助けてあげてニャ!」 死んだ猫のお節介な声?


そんな声がさ、聞こえる耳にはENGINEの声も聞こえる訳だよ。笑 笑えないだろ?そこの貴方

この燃調とバルブの状態。オマケにリングもがッタガタ。気合の前に整備だよ!とは、BIKEの弁。


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by samsonblue | 2007-09-26 02:08 | 風景


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