98. Slender"

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線の細さとは別にある 芯の太さ。 自立する筈もない機械の中に、運の強さを持つ車体もある。
そう言うシーンを毎回見続けると、バイクは人に限りなく近い。 いや 人”そのものだとも 感じる。

それは乗る人が居て、初めて成り立つ意味とは別に 選べない 運 も纏う。
プランや部品もそうだが、購入出来ない最大のプレゼントは、 タイミング に他ならない。
 
あの日、その人が(自分が)数秒でも 椅子から腰を上げるポイントが違えば 今はない偶然。
その連続と、数多い部品とが綺麗に噛合う時にだけ、初めて見せる奇跡のオンリーワン。

けして満点ではない。それは、作り手だけが言える特権。 
そこで誰と競うからでもなく、行くも 終わるも自由。
人に聞く インスタントな知識など微塵も通用しない代わりに、アドリブは無限大にOKなキャパ。

自分がそれを信じ、貫いたとしても 受け入れられないと 排除される昨今にあって マレな存在。

 これが舞台なら、これからが開演。 どう演じるか、踊るかは オーナーが決る。
何シーン目かのアスファルトで怪我をする事も、トラブルを演じるかもだ。全く無くは ないだろう。
流れる血も傷みもリアル。 目の中に映るカット全てがそう。 主人公は各々になる。

楽しい展開にしたいと思えば、その逆を演じると良いだろう。
楽しいだけのダンスの後には、そのお釣りが必ずくるもの・・。

ブッツケ本番。 壊す時がくるなら仕方ない。又、作ればいい。
壊すー作り変えるー壊すー進む。
そうやってこのオートバイが出来たなら、その先も見てみたいではないかと 本音でそう思う。

疲れたら 煙草を一服噛む。 そう言う時間が自分をチャージさせる。
音楽や洋服、髪型に旅行、カメラにボード、車に異性 酒にギャンブル。
その為ならば馬力”が出るものが多く存在する中にある、細いこのオートバイでさえもがそうだ。

オーナーを支える その か細い線は、まるでサイドスタンド。 
蹴り上げると同時に互いに走る そのスタンス、その存在は 他人より信頼出来る鉄の塊。
by samsonblue | 2005-08-05 22:47 | バイク


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